2024.06.03

【犬】夏季着衣のメリット(着ないデメリット)とは?慣れるまでのステップも解説

【犬】夏季着衣のメリット(着ないデメリット)とは?慣れるまでのステップも解説

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    暑い夏に犬に服を着せていると、「暑くないのだろうか」「着る意味はあるのだろうか」と疑問に思われるかもしれません。しかし、犬の服にはさまざまな機能があるのです。
    この記事では、犬が服を着るメリットや注意点についてお伝えします。

    夏季に服を着せるメリット 

    犬の服にはおしゃれだけではなく、健康を守るためのさまざまな役割があります。
    ここでは、夏季に服を着せるメリットについて、いくつかご紹介します。

    熱中症を予防する

    人と犬では、熱を発散するエクリン腺の数が異なります。犬のエクリン腺は人よりも少なく、体感温度の差は17℃にもなると言われています。そのため、犬は体に熱がこもりやすく、熱中症になりやすいのです。
    暑い日の散歩には、水で濡らして着用するクールベストや保冷剤を入れるタイプの服の着用をお勧めします。この服は水分が蒸発する際に体の熱を下げてくれるため、熱中症の予防に役立ちます。
    炎天下では、地面やコンクリートからの熱気を遮るためにも服が効果的です。

    紫外線から守る

    夏は紫外線が強いため、ダメージを受けると皮膚炎やがんを発生するリスクがあります。
    特に短毛種や皮膚が弱い犬は、服を着ることで皮膚炎やがんを発生するリスクが抑えられます。

    冷房による体の冷えを防ぐ

    夏の冷房は人には快適な温度でも犬には寒く感じられることがあり、体調を崩してしまいやすい傾向があります。犬の様子をよく見て、寒そうな様子や体調が悪そうだと気づいたら、服を着せてあげましょう。
    特に小型犬や原産地が温暖な気候の国の犬種は寒さに弱いほか、そうでなくともパピー(幼い犬)やシニアも体温調節が得意ではありません。
    寒さを感じやすい犬種の例は以下の通りです。

    ・シングルコート(被毛の被毛の密集度が低い犬種)
      チワワ・トイプードル・ヨークシャーテリアなど

    ・短毛種
      イタリアングレーハウンド・ウイペット・ミニチュアピンシャーなど

    肌の弱い犬はポリエステルやニットは刺激を感じやすいため、綿100%で縫い目が外側にあるものを選びましょう。

    虫刺されを防ぐ

    夏に山や草むらに行く際は、蚊・ブヨ・蜂・ダニ・ノミに刺されないように気をつけることが大切です。
    特に蚊に刺されてフィラリアに感染すると命に関わるため、服だけに頼らず予防接種を受けて虫除けスプレーを使用しましょう。直接被毛にはスプレーせず、服にスプレーしておくことをおすすめします。
    服を着ていることで、ノミやダニが被毛についてしまうことを防げます。

    着衣に慣れるまでのステップ 

    手術後をはじめとして、どうしても服を着せたいときがあります。その際、普段服を着ていない犬は嫌がるかもしれません。無理やり着せようとすると、ストレスがかかってしまいます。
    ここでは、犬を少しずつ服に慣れさせるための方法をご紹介します。

    ①臭いを嗅がせる

    はじめは無理に着せようとせず、臭いを嗅がせるだけにしたり、短時間背中に乗せるだけにしたりするだけにします。
    犬が服を嫌がる原因は、強いにおいである可能性があります。犬の嗅覚は人の数千から1億倍と言われ、服に柔軟剤の臭いがついていると、臭いで体調を崩してしまうことがあります。
    重曹や天然成分など、無臭のものでの洗濯をおすすめします。

    ②袖のないタイプから着せる

    袖のある服は窮屈に感じて嫌がるため、はじめは覆われる部分が少ないものや面ファスナーで留めるなど簡単に着用できる服から試してみましょう。
    着てしばらくおとなしくできたら、おやつなどのご褒美をあげて褒めることをおすすめします。

    夏季に服を着せるときの注意点 

    人が服を選ぶときと同様に、犬にとって着心地のよい服を選んであげることが大切です。
    ここでは、服を着せる際に気をつけるポイントについて解説します。

    通気性の悪いものを避ける

    通気性が悪い素材の服を夏に着ると、熱中症のリスクを高めてしまう恐れがあります。見た目のデザインで選ぶのではなく、夏には通気性がよい素材のものがおすすめです。
    クールベストはしっかりと水分を絞って使用しないと通気性が悪くなり、蒸れて皮膚炎を引き起こすことがあるため、着せる前に気をつけましょう。

    蒸れやかぶれがないかチェックする

    愛犬に服を着せる前に、ブラッシングで皮膚に蒸れやかぶれがないかをチェックしておきましょう。
    もし、蒸れやかぶれがあれば、炎症を起こしたり悪化させてしまうため、服を着せることは控えます。皮膚炎があり、紫外線防止のために着せたい場合は、接触冷感生地をおすすめします。

    暑さに強い犬種や苦手な犬には着せない

    服の要不要は、暑さに強い犬種か弱い犬種かで判断します。暑さに強い犬種には、服を着せる必要はありません。また、着衣にストレスを感じるタイプの犬もいます。
    普段は服が不要な犬の暑さを和らげたいときには、ハーネスやクールネックなどの局所的なもので対応しましょう。
    暑さに強い犬種の例としては以下の通りです。

    ・原産国が暖かい国の犬種:
    ファラオハウンド、グレーハウンド、ケアーン・テリア、ローデシアン・リッジバック、ダルメシアン、ワイマラナー、ミニチュアピンシャー、チワワ、ミニチュアシュナウザー、ボーダーコリー、ビズラ、イタリアングレイハウンド、ドーベルマン、ビーグル、ウイペットなど

    逆に暑さに弱い犬種は、以下の通りです。

    ・短頭種:ブルドッグ、パグ、ボストンテリアなど
    ・短足犬:コーギー、ダックスフンド
    ・寒い地方原産:シベリアンハスキー、ボルゾイ、グレートピレニーズ
    ・毛が密:ポメラニアン
    ・ダブルコート(上毛、下毛がある):ゴールデンレトリーバー、シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエルなど

    また、太っている犬や特定の疾患(心臓病や呼吸器疾患)の犬は暑さに弱い状態のため、気を付けましょう。

    適切なサイズを選ぶ

    サイズの表記はメーカーごとに基準が異なり、犬の実寸ではなく服の幅が記されています。愛犬のサイズを測っておくとよいでしょう。
    ミニチュアダックスフンドのような胴の長い犬は、ダックサイズ(SD・MD)で表記されています。
    サイズが合わない服を着せると、動きづらくストレスになります。可能であれば試着をさせ、慣れないうちは脱ぎ着が楽で圧迫感のないものを選ぶことがおすすめです。

    過度な装飾品は避ける

    リボン・パール・ぽんぽんなどの装飾は、いつの間にか取れてしまいやすく、犬が誤食してしまうこともあります。夏季に服を着る目的は、犬の健康のためです。機能重視のシンプルなものを、選ぶようにしましょう。

    着せたままにしない

    服を着用したまま寝てしまうと、不衛生のために蒸れて皮膚炎になったり、元々皮膚炎だったところが悪化してしまいます。
    服は毎日着替えさせて、ブラッシングをしながら皮膚の状態を確認してあげましょう。

    まとめ

    犬が夏に服を着る目的は、熱中症予防・紫外線対策・虫除け・体温調節・術後のケアなど犬が健康に過ごすためです。また、犬種・原産国・年齢の違いで、暑さや寒さへの強さ・弱さが異なります。
    それぞれの犬に合わせた対策をとり、目的に応じたシンプルな服を選び、愛犬と楽しい夏を過ごしましょう。

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